立身加増早き時は、諸人敵になり、のうぢなし。
葉隠より
遅きときは諸人味方となり、その上の幸はたしかに見ゆるなり。
畢竟(ひっきょう)、遅速共に諸人うけがひ時は、危うきことなし。
諸人催促いたす時の幸が、のうぢあるなり。
出世や昇給が早いと、多くの人が敵にまわり、かえって立身のためには無意味なことになってしまう。逆に遅い時には、多くの人が味方となって、将来的な幸運も確かなものになるだろう。結局のところ、早くても遅くても周りの人が納得できるようなものであれば心配はない。人々から催促される形でつかんだ幸運こそ本物である。
周りを納得させる力を持つ
若くして抜擢されたような人を妬む気持ちは今も昔も変わらないようです。
「葉隠」に登場する武士の姿は、平和な時代の武士であり、今のサラリーマンの環境にとてもよく似ています。
したがって、今の時代でも十分生かせる処世術がたくさん詰まっています。
出世の時期を自ら選ぶことは中々難しいとは思いますが、若くして一人出世しても、結局苦しい思いをすることになる…
というのはなんだか分かる気がします。
結局のところは、年齢や時期的な早い遅いに関係なく、周りを納得させるだけの力が必要ということです。
出世も昇給も自分で決めれることはでなく、他人からの評価で決まるもの…
掴み取りに行くくらいの気概はもちろん必要ですが、地道にしっかりと自分の力をつけていけば、きっと周りが放っておかなくなるでしょう。
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