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【太田道灌】もとより死んだ身

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かかる時さこそ命の惜しからめ 

かねて亡き身と思い知らずば

太田道灌

このような時、さぞや命が惜しいことだろう

もとより死んだ身だと思っていた

(だから今さら命など惜しくはない)

江戸城の築城に貢献したとされる太田道灌。

彼が暗殺される時に詠んだとされていますが、彼が読んだのは「下の句」です。

「上の句」は、彼を暗殺した刺客が詠みました。

刺客は、道灌に槍を突き刺しながら、上の句を詠みます。

~このような時、さぞや命が惜しいことだろう!~

致命傷の一撃をくらった道灌はひるむことなく下の句を詠みました。

~もとより死んだ身だと思っていたのだから、今さら命など惜しくはない!~

あらかじめ死んでおく

いつ命を落としてもおかしくない武士たちは、毎朝死ぬことをイメージトレーニングしていたとも言います。

「あらかじめ死んでおく」

この辺りの考え方が「死を美化している」と言われてしまうところだと思いますが、決して美化しているわけではなく、それだけ「死が身近にあった」ということではないでしょうか?

死を恐れて戦場で十分な働きはできません。

また逆に、死を覚悟した者には生半可な敵が束になってかかっても適わなかったと言います。

武士独特の死生観のように思われがちですが、平和な時代に生きる私たちもいつか必ず終わりの日が来ます。

その日がもし明日だったとしたら・・・

今日の過ごし方はきっといつもと違うものになるでしょう。

武士たちは、毎日をそういう覚悟で生きていたのです。

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