葉隠より

意地は内にあると、外にあるとの二つなり。外にも内にもなきものは、役に立たず。たとへば刀の身の如く、切れ物を研ぎはしらかして鞘に納めて置き、自然には抜きて眉毛にかけ、拭ひて納むるがよし。外にばかりありて、白刃を常に振り回す者には人が寄り付か...

同じ人間に生まれたのだ。誰に劣るなどあるはずがない。全て修行は大高慢に自分以上の者はいないのだと思いあがるほどでなければ、役には立たない。自分は一人でお家を守るぞとかからなければ、修行してもものにならないだろう。葉隠より 内なる炎を...

勝ちといふは、味方に勝つ事なり。味方に勝つといふは、我に勝つ事なり。我に勝つといふは、気を以って体に勝つ事なり。かねて味方数万の士（さむらい）に、我に続く者なき様に、我が心身を仕なして置かねば、敵に勝つ事はならぬなり。葉隠より 勝...

巧者の咄等聞く時は、たとへ我が知りたる事にても、深く信仰して聞くべきなり。同じ事を十度も二十度も聞くに、不図胸に請け取る時節あり。その時は格別のものになるなり。老の繰言と云ふも巧者なることなりと。葉隠より 深く経験を積んだ人の話な...

“武士道は死に狂ひなり。一人の殺害を数十人して仕かぬるもの。”と直茂公仰せられ候。本気にては大業ならず。気違ひになりて死に狂ひするまでなり。葉隠より “武士道とは死に狂いである。そうした人を倒すには数十人でかかっても倒せないことが...

古人の言葉に七息思案と云ふことあり。隆信公は「分別も久しくすればねまる」と仰せられ候。直茂公は「万事しだるきこと十に七つ悪し。武士は物毎手取早にするものぞ」と仰せられ候。葉隠より 昔の人の言葉に「七呼吸の間に思案せよ」というものが...

盛衰を以て、人の善悪は沙汰さらぬ事なり。盛衰は天然の事なり。葉隠より 盛衰によって、その人の善悪を判断することはできない。盛衰とは自然のなりゆきである。 全ては自然の成り行き 繁栄も衰退も自然のなりゆき… つま...

そもそも意見と云ふは、先づその人の請け容るるか、請け容れぬかの気をよく見分け、入魂（じっこん）になり、此方の言葉を平素信用せらるる様に仕なし候てより、さて次第に好きの道などより引き入れ、云ひ様種々に工夫し、時節を考へ、或は文通、或は雑談の...

すてものも尽くしたる者にてなければ用に立たず 葉隠より 落伍者でも、徹底して落ちぶれた者でなければ役には立たない →徹底的に落ちぶれた者なら役に立つ チャレンジしたからこそ落ちぶれる とことん失敗して落ちぶれた...

武士は当座の一言が大事なり。ただ一言にて武勇顕るるなり。治世に勇を顕はすは詞（ことば）なり。乱世にも一言にて剛臆見ゆると見えたり。この一言が心の花なり。 葉隠より 武士たる者はその場での一言が大切である。ただ一言で自分の武勇が顕れ...